玉葉妃の侍女3人の声優はストーリー的に地味な立ち位置かもしれないが、それでも精一杯魂を込めて仕事を真っ当しているに違いない。おそらく一人一人が、長年妃に仕える侍女の気持ちになって、仕事が終わっても四六時中、玉葉妃のことを考え、そのおっとりとした妃の喋り方に似せたり、性格をインスパイアしているに違いない。声優は声を出すだけが仕事ではなく、そのキャラクターに魂を吹き込むという神のような業務を行なっているのだ。しかし、いくら感情を押し込んだとしても、それに気づける人間はごくわずかだし、やがてその努力が無駄になるということが気付かされるかもしれない。

名前は忘れたが亡くなった日本人映画監督で部屋のシーンにタンスが一瞬出てくるが、そのタンスに服を入れろとスタッフに言ったらしい。中身は見えなくても、ワンシーンごとに現実味を増すとかわけのわからないことを言っていたらしい。別のカットでは家が映るシーンで、関東風に瓦を張り替えたという。

エヴァ：｜｜も、5年くらいあーでもないこーでもないと、結局スタッフが元から提案していた案に庵野が案の定渋々賛成して仕上がった。庵野が黙っていれば、5年早く撮影が終わったに違いない。電信柱を倍に増やせとか、シンジの最後のセリフの加減とか。

売れてる映画監督となると、無駄なことに時間を費やすようになるのだ。後日談としてスタッフたちの内談で語られるが、結局客はそんな苦労も知らずに忘れ去られる。結果的にスタッフが苦労して終わる。監督の自己中な無駄な努力はスタッフの痛いストレス疲労になる。さっさと結果だけ出して、早く終わらして帰らせろハゲ。無駄なこだわりは腫瘍の一貫だ。昭和、平成時代にこんなのがうじゃうじゃいたもんだから、昔はもっと変なこだわりの人がいたに違いない。変なこだわりはいつか奇跡を起こすこともある。ジョブズのアイフォーンだ。

女子トイレで長めのせっくすをする二人は、どこか手慣れていた。