言語発達に問題のあるガキは、脳の部位に決定的な異常があることが判明した。脳みそは21世紀になっても解明できていない部分が多く、未知の領域なのだ。その脳のバグ的な患部は、圧倒的に難しい箇所に配置されており、現代医療を持ってしても、取り除くことはむつかしい。CDプレーヤーでROMディスクを書き換えるくらい難しい。詰まるところは無理なのら。しかしCDプレーヤー以外で読み込めたらどうか。そう、脳みそを量子コンピュータのAIシステムに転送して、コンピュータの中、いわばまさに、インターネットの中で生きることは容易い。脳をデータ化すれば、その発達ガイジのバグもコード934,421行目の3,199文字目にあることが瞬時に把握でき、直ちに修正し、INTERNETの中に於いて、立派でまともな人間となる。人生は難しいかもしれないが、生涯全ての出来事をデータとして捉えればシンプルになる。誰かのブログを見て、毎日たくさん日記を書いているとすれば、それらをデータ化し、全ての長文を１行で表し、それを人生としてシリアライズ化できる。例えばアイツは、座間市で生まれ、中学卒業後インドへ移住し、IT関連の企業を起こし、インド人と結婚し、3人の子を設けた後、結核で43歳という若さで死亡した。

死んだ父親は、昔、異世界で多大なる借金を背負い、その償いとして子が送られる。