ヤクザの知り合いに頼んで近所のうるさい犬を始末してもらった。報酬は4万円。少し高いかもしれないが、獲物は2匹いるのでやむを得ない。1匹だけなら1万円らしいが、2匹とも倒すとなると結構難しくなるらしい。

ある日突然、飼ってた犬1匹が消える程度なら事件性が低く、わんちゃん帰ってくるだろうと通報しないこともないらしい。2匹ともバッタリ消えるとなると事件性が跳ね上がるのだ。それに1匹だけなら手刀でストンと眠らせて鎖を解いて持ってくだけだが、2匹の場合、もう1匹に吠えられたり、噛まれたりで面倒さが極端に増える。

知り合いのヤクザは前金を受け取ると、アジア系外国人を2人4,000円で雇う。私はアリバイ作りのためにあらかじめ犯行予定日の1週間前からコンビニでアルバイトに勤しんでおく。しっかりシフトをセットしておく。

遂行当日深夜2時に、廃棄食品をカゴに入れていると、テレグラムで知らないアドレスから件名:Mission Completedとの通知が来た。無事2匹の犬は遠い山に放たれたか、海中に沈んでいるだろう。

朝7時、客も増え店長もレジに入りざわつき始める。「鏑木くん、８時半ごろからトイレの業者来るから、それまで延長してくれる？」「ハイっす」。一昨日ぐらいに女子トイレの排水溝が詰まって使用禁止になっているのだ。入って間もないのに残業させられるほど、このコンビニも手一杯なのだ。

バイトを終え帰宅する途中、マンホールの中から煙が吹き出して、蓋がグツグツと揺れていた。爆発するのではないかと思い、１mほど離れて通り越した瞬間思いの外すさまじい音量で爆発した。バッコーン！目を覚ますと巨大な木々が立ち並ぶ大自然の中、全裸の美しい白人女性が私を膝枕しているのです。「うっここは？」エルフ「あら、気がついたのね」第一章完つづく。-fin-

付き合って半年の彼女は後輩だった。